債権法改正 大改正。債権の原則的な消滅時効期間は5年になる。短期はなし
契約に定めた債務の履行を契約どおりにしないことを「債務不履行」といいますが、相手方に債務不履行があった場合の、契約解除の要件が整備されました。
1 債務不履行+催告+解除が原則
原則は、債務者に「①債務の不履行」が生じ、債権者から「②履行の催告」をした後なお履行がないときでないと「③解除」はできません。
参照条文
(催告による解除)
第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
2 催告によらない解除
しかしながら、債務者に債務不履行があっても、「②履行の催告」をすることに意味がないときは、いきなり契約解除ができる道も開きました。
参照条文
(催告によらない解除)
第542条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。