コラム
先人の残した言葉の大きさ(箴言)
2017年11月12日 公開 / 2017年11月14日更新
徳川家康は、処世訓というべき言葉を、数多く残しているが、このような先人の残した言葉が、謎を解く鍵になる場合がある。
以下に紹介する箴言も、それである。
ただ、これはアレキサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」の中での話しであるが。
この話しをすると、舞台は、フランスのマルセイユ。時代は、1815年。
登場人物は、①船乗りである主人公のエドモン・ダンテス、②彼の婚約者のメルセデス、③メルセデスに横恋慕するフェルナン、④ダンテスが次の船長になることが決まって嫉妬する会計士のダングラール、⑤ダンテスがそれと知らないで預かった手紙が政府に知れると、その身が破滅する検事代理のヴィルフォール、その他である。
あるとき、ダンテスが、メルセデスとの婚約パーティを始めたところへ、官憲(警察)が踏み込み、彼を検事代理ヴィルフォールのもとへ連行した。ダンテスが逮捕されたのは、彼がナポレオン派だという告発状が投げ込まれたからであるが、ダンテスの話しを聴いたヴィルフォールは、ダンテスは罪を犯していないと思ったが、ダンテスの持っていた証拠の手紙の名宛て人が自分の父親であることを知り、その事実を隠そうと考えその手紙を焼却したうえ、ダンテスの口を封ずるため、マルセイユ沖のシャトー・ディフ城の巌窟牢に入れ、幽閉した。
この巌窟牢でダンテスは、ファリア神父と出会い、ファリア神父より、、「“罪は、それを犯すことによって利益を受ける者が、犯す”という法の箴言(しんげん)がある。君を、この岩窟牢に閉じ込めた者は、それによって利益を受けた者である。」と言われ、、ファリア神父と話し合いながら、ダンテスを幽閉するための悪事をした者が、前記③④及び⑤の人物であることを知ったのである。
かくて、ダンテスは14年間の幽閉の後、巌窟牢から脱出し、この3名に復讐をしていくことになるが、それは後のこと。
ここでの箴言は、エドモンダンテスが、考えても分からなかった真犯人を暴き出す言葉、謎を解く鍵になるほどの言葉になっているのである。
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