公用文の書き方 14 漢字で書く接続詞 「及び」「並びに」「又は」「若しくは」
公用文に学ぶ漢字と仮名、使い分けの法則では、「常用漢字表」にない漢字、「常用漢字表」にあるが、“読み”のない漢字は、使えません。
しかし、次のような漢字の使い分けをする場合は、「常用漢字表」にない漢字であっても、是非とも書いて見たいものです。
例
「戦いに勝つ」 と 「闘いに克つ」 とを使い分ける場合の 「克つ」 です。
「戦い」は、勝敗を決するための「たたかい」ですから、戦いに「かつ」と書く場合は「戦いに勝つ」が正しく、「戦いに克つ」は間違いです。
しかし、「闘い」は、己の困苦との「たたかい」ですから、それに「かつ」という場合に「勝つ」と書くと間違いです。
その場合は「闘いに克つ」が書けるのなら、そう書きたいところです。
しかしながら、「常用漢字表」には「克」の“読み」は、字音の“コク”しかなく、字訓の“かつ”はありません。
そのため、公用文の法則に従えば、
「戦いに勝つ」は、「かつ」を漢字でかけるが、「闘いにかつ」の「かつ」は「克つ」と漢字で書くわけにはいきません。
しかしながら、対句的な並べ方をする場合、
「戦いに勝つ」と「闘いにかつ」よりも、
「戦いに勝つ」と「闘いに克つ」と書いてみたいものです。
この場合は、「克つ」にルビを打ちますが。