コラム
「~にも拘わらず」か,「~にも関わらず」か,「~にもかかわらず」か?
2016年9月27日
正解は「~にもかかわらず」です。
これは,接続詞の「したがって」が,漢字で「従って」と書くのではなく,平仮名で「したがって」書くのと同じ理由からです。
なお,「拘わらず」の漢字「拘」には,「常用漢字表」に「かか」という字訓がありませんので,元々この漢字は使えません。
「関」という漢字は,平成22年11月30日の「常用漢字表」の改正時に,「かかわる(語例:関わる・関わり)」という読みが与えられましたので,動詞として「関わる」や名詞として「関わり」という使い方ができるようになりましたが,接続詞として「~にも関わらず」と書いても,この中の「関」には「関」という漢字固有の意味を宿していませんので,当て字使用になってしまいます。
以上は,漢字固有の意味を宿さない漢字の使用(当て字)はしてはならない。漢字固有の意味が生きる実質名詞や動詞は漢字で書き,漢字固有の意味が発揮できない接続詞(例外は,「又は 若しくは,及び 並びに」)は平仮名で書く。という法則の一具体例です。
関連するコラム
- 公用文用語 もと(「下」と「元」と「基」)の使い分け 2014-07-19
- 「宜しくお願い致します」という書き方は間違い 2016-01-19
- 公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか? 2014-07-09
- 公用文の書き方 5 “動詞は漢字で,補助動詞は平仮名で書く”と覚えるべし 2014-09-06
- 公用文の書き方 14 漢字で書く接続詞 「及び」「並びに」「又は」「若しくは」 2014-09-15
コラムのテーマ一覧
- 時々のメモ
- コーポレートガバナンス改革
- 企業法務の勘所
- 宅建業法
- 法令満作
- コラム50選
- コロナ禍と企業法務
- 菊池捷男のガバナー日記
- 令和時代の相続法
- 改正相続法の解説
- 相続(その他篇)
- 相続(遺言篇)
- 相続(相続税篇)
- 相続(相続放棄篇)
- 相続(遺産分割篇)
- 相続(遺留分篇)
- 会社法講義
- イラストによる相続法
- 菊池と後藤の会社法
- 会社関係法
- 相続判例法理
- 事業の承継
- 不動産法(売買編まとめ)
- 不動産法(賃貸借編)
- マンション
- 債権法改正と契約実務
- 諺にして学ぶ法
- その他
- 遺言執行者の権限の明確化
- 公用文用語
- 法令用語
- 危機管理
- 大切にしたいもの
- 歴史と偉人と言葉
- 契約書
- 民法雑学
- 民法と税法
- 商取引
- 地方行政
- 建築
- 労働
- 離婚
- 著作権
- 不動産
- 交通事故
- 相続相談
カテゴリから記事を探す
菊池捷男プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。