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親の土地に家を建てさせてもらったが、地代を支払うのはやばいって本当?

2015年10月5日

テーマ:民法と税法

コラムカテゴリ:法律関連

 やばい、つまり、税金がかかる危険があります。
 建物の所有を目的に地代を支払って土地を借りることは、借地権の設定を受けたことになります。借地権は資産ですから、通常権利金が支払われる地域で権利金を支払うことなく借地権の設定を受けますと権利金分の贈与を受けたことになります(これを「権利金の認定課税」といいます。)。
 ただ、この場合、相当地代といわれる地代を支払っておれば、権利金の認定課税はされません。この場合の相当地代というのは、土地の自用地としての価額すなわち相続税評価による更地価額の過去3年間における平均額の6%程度とされています。
 つまり、認定課税を避けるためには、路線価2000万円程度の土地でしたら、年間その6%である120万円、つまり月10万円程度の地代を支払う必要があるのです。
 親子の間で、このような高額の地代を支払うことはまずないと思いますので、親から安い地代で土地を借りると、権利金の認定課税がなされ、何百万もの税金が課せられることになる場合があります。要注意です。
 なお、借地人か地主の双方または一方が法人である場合は、相当地代の支払の場合以外でも、税務署に「無償返還届」をすることで、権利金の認定課税を避けることができるのですが、借地人、地主とも個人の場合は、この制度は認められていません。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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