間違えやすい法令用語1 「施行する」・「適用する」
詐欺も,詐偽も,人をだまして錯誤に陥れる行為です。
詐欺は,錯誤に陥った人が何らかの意思表示をすることを予定した言葉で,民法96条1項は「詐欺・・・による意思表示は,取り消すことができる。」ことになっています。
一方,詐偽は,人を騙して財物を交付させようとする行為で,詐欺に近い概念になっていますが,詐偽は,刑法の対象になる犯罪行為をいう言葉になっています。
なお,詐欺も詐偽も,ほとんど意味は同じであることから,この言葉を使い分ける実益に乏しく,最近では,法令用語としては,「詐偽」の言葉に代えて「偽り」の語が使われることになっています。
「偽りその他不正の手段により・・・」(道路交通法117条の4第7号)や「偽りその他不正の行為により」(法人税法159条1項その他)という用語が使われるようになっているのです。