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相続 長谷川式テストの点数と遺言の効力

菊池捷男

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テーマ:相続相談

認知症の人が長谷川式のテストを受けている場合で,公正証書遺言を作成したときの点数と遺言の効力との相関関係はあるかといえば,あるとは言えません。
それは,遺言の効果は,長谷川式テストのみで判断されるものではないからです。
しかし,長谷川式テストの点数が低い(満点は30点)人の遺言は無効とされやすいのは事実です。
そこで,その点数と遺言の効力に関する裁判例を調べてみました。

遺言が有効とされたケース
4点(京都地裁平成13.10.10判決)・・・介護日誌の記載から,看護師と会話ができたことが認定された。
21点(高知高裁平成10.8.26判決)・・・年齢は94才で,遺言書の内容は簡単なもの
11~17.5点(名古屋高裁平成9.5.28判決)・・・周囲の人と会話ができた
12点(東京地裁平成25.7.19判決)
9点(東京地裁平成25.1.30判決)

無効とされた裁判例
遺言書作成7カ月前20点,作成9カ月後11点(東京高裁平成22.7.15判決)・・・金銭管理が困難,被害妄想
15点(東京地裁平成22.3.24判決)・・・金銭管理能力の欠如,会話困難など
8点(東京高裁平成21.8.6判決)
4点(東京高裁平成12.3.16判決)・・・遺言書の内容は複雑

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菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

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