Mybestpro Members

菊池捷男プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

弁護士と格言 2 九仞の功を一簣に虧く(なかれ) 

菊池捷男

菊池捷男

テーマ:歴史と偉人と言葉

「九仞の功を一簣に虧く」という文字は,「きゅうじんのこうをいっきにかく」と読みます。

この言葉は,自己完結型の文章になっていない(「何々をすると,九仞の功を一簣に虧くことになる」などという言葉ではない)ため,格言とは言えず,たんなる故事成語です。

この言葉は,中国の昔,周の武王が,殷の紂王を討ち,周王朝を開いた頃,周辺国からの貢ぎ物を得て喜ぶ武王に対し,臣下の召公が,諫めて,武王に言った言葉です。

九仞の「仞」は高さの単位,「九仞」という言葉は非常に高いという意味,一簣の「簣」は土を運ぶもっこのこと,「一簣」とは一つのもっこで運ぶ土の意味です。

ここから,「九仞の功を一簣に虧く」とは,高い山を築くのに,最後の一杯のもっこの土を欠くと完成しない。転じて,長い間の苦労や努力も,最後の努力を怠ると,失敗に終わるという意味になり,教訓になるのです。

昨日のコラムは,「法は,自ら助くる者を助く」について書き,その結論として,弁護士は,懸命に主張を尽くし立証を尽くさなければならない,ことを書きましたが,本日のコラムで言いたいことも,同じです。

弁護士は,最後まで,いささかも緩むことのない努力を継続すること,が大切である,ということになります。

詰めの甘い訴訟をすると,それこそ,九仞の功を一簣に虧く結果になってしまうのです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

菊池捷男
専門家

菊池捷男(弁護士)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

迅速(相談要請があれば原則その日の内に相談可能)、的確、丁寧(法律相談の回答は、文献や裁判例の裏付けを添付)に、相談者の立場でアドバイス

菊池捷男プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼