企業経営と危機管理 7 循環取引
内部通報制度を、利用しやすくしておれば、昨日のコラムで書いた循環取引は、もっと早く発見できた可能性がある。
内部通報制度を有効に使うには、
①通報者の保護を中心にした規定を作ること(秘密保持システムの「見える化」)
②匿名での通報を認め、通報者の秘密保持に努めること
③法律事務所など社外の信頼できる機関に通報窓口を設けること
④内部通報による監査を実施するときは、不正を指摘された部署以外の部署も同時に調査(ダミー調査)して、通報者の存在に気づかせないようにすること
⑤通報者の範囲を取引先などにも拡げること(雪印食品の牛肉偽装事件の発覚は取引先の倉庫業者からの通報による)
⑥通報時間を、勤務時間外にも設けること(午前7時から9時までor午後6時から8時までなど)
⑦当然のことであるが、通報者に一切不利益を課さないことを内外に公表すること
である。