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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

痛風の基本的なお話!

2017年5月27日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

痛風の基本的なお話!

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「痛風の基本的なお話!」についてです。
痛風患者の多くは 30-50 歳代のやや太り気味の男性です。以前は女性にはほとんど痛風の患者さんはいないと考えられてきましたが、当クリニックでは薬物投与を受けている痛風または高尿酸血症の患者さんの1割超は女性であり、女性患者もかなり増えて来ている印象です。
 痛風は体内に尿酸が多くなり、高尿酸血症が持続することで関節の中で尿酸が結晶化して起こると考えられています。痛風は関節炎を主な症状とする疾患で関節炎は突然起こるため「痛風発作」とも呼ばれます。
 最近は遺伝子との関連も調べられており、アルコールに強い遺伝子を持つ人は弱い人と比較して約2倍も痛風になりやすい事が指摘されています。「ビールはプリン体を多く含むためにプリン体をあまり含まない焼酎やウイスキーを飲むようにしている」「酒の肴にプリン体の多い干物、白子、ウニなどは食べない」という方もいらっしゃる様です。プリン体とは遺伝子の核酸を構成している物質でプリン体は代謝されると尿酸になるため大量に摂取すると血中の尿酸値を上げることがあります。
 しかし、プリン体の含有量に関わらずアルコールは体内での尿酸量を増加させることが分かっています。それはアルコールを摂取すると「尿酸産生の増加」「利尿作用による尿酸の濃縮」「尿酸排泄の阻害」が起こるためであり、飲酒そのものに尿酸値上昇のリスクがあります。なお、食物由来のプリン体から産生される(外因性)尿酸は総尿酸生産量の1/3程度、残りの約2/3は体内で代謝産物として産生される(内因性)と言われ、プリン体の摂取量よりも体内の尿酸過剰蓄積を防ぐことの方が重要であると考えられています。*ヘルシーパス ニュースレターより抜粋、一部改変
 最近、痛風や高尿酸血症にも注目が集まって来ています。以前は尿酸値が少し高くてもあまり問題はないと考えられていた時期もあった様ですが今では高尿酸血症は腎臓のみならず心血管系への障害の危険が問題視されており、痛風発作を起こしたことのある方は言うまでもなく、発作を起こしていなくても尿酸値がある程度以上になり、メタボなどの基礎疾患を有する方々に対しては積極的に治療を行うことが大事と考えられています。

17.5.26 花々
 我が家の玄関前のツツジも遅まきながら漸く咲き出しました。

この記事を書いたプロ

佐藤浩明

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佐藤浩明(さとうクリニック内科・消化器科)

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