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小堀將三

充実したマンションライフを支えるマンション管理士

小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

「段階増額積立方式」での値上げ幅を制限

2024年3月16日

テーマ:管理組合

コラムカテゴリ:住宅・建物

 国土交通省が第5回「標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」を2月27日に開催しましたが、その際に、修繕積立金の値上げ幅についての管理計画認定制度の基準案が提示されました。
 段階増額積立方式を採用している新築マンションの場合は、均等積立方式にした場合の月額(基準額)の0.6倍から1.1倍の幅であることとしています。例えば、均等積立方式で算出した修繕積立金額(30年間、毎年同じ金額を組合員から徴収する額)が10,000円(基準額)であれば、分譲時に段階増額積立方式を採用していれば、その際の修繕積立金額は6,000円以上であることになり、その後、段階的に増額した場合の最終修繕積立金額は11,000円までにしなければならないことになります。
 新築2,3年ぐらいのマンションの管理組合様は、分譲時に長期修繕計画書ととともに配布された収支計画書で一度試算してみて下さい。もしあなたのマンションの均等積立方式で計算された修繕積立金額が12,000円(基準額)で段階増額積立方式を採用している場合には、分譲時の修繕積立金額は7,200円以上で、最終的に増額される修繕積立金額は13,200円まで収まっていますか。基準額が8,000円であれば、分譲時は4,800円以上で、最終増額修繕積立金は8,800円までに収まっていますか。計算してみて下さい。
 この0.6倍から1.1倍の幅は、新築マンションでの基準として考えられていますので、既存のマンションには当てはまりません。国土交通省は、一定の築年数を超えたマンションの管理計画認定制度の基準を「均等積立方式のみ」とすることを考えています。今のところ、一定年数が何年なのかは決まっていないみたいです。
 これまで何度も、分譲時の修繕積立方式を「均等積立方式」にすべきであることを提唱してきましたが、上記の案が採用されれば一歩近づいたことになると思います。確かに、まだ「段階増額積立方式」を捨てきれていませんが、基準額の0.6倍から1.1倍の幅に限定されれば、段階的に増額する金額はそれほど負担にならずにすむでしょう。しかし、最終的には、やはり「均等積立方式」にしていただきたいと思います。

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