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小堀將三

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小堀將三(こぼりしょうぞう) / マンション管理士

マンション管理士事務所JU

コラム

第6回「標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」

2024年3月29日

テーマ:管理組合

コラムカテゴリ:住宅・建物

 「標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」の第6回目が3月26日に開催されました。検討スケジュールでは6回の開催となっていましたので、今回が最後の検討会かもしれません。最後の検討会では、標準管理規約の見直しについては、パブリックコメントを踏まえた最終案の提示と区分所有法制の改正に係る見直し項目の提示、管理計画認定制度については、管理計画認定制度の今後の方向性が提示され、これまでの検討を踏まえたとりまとめ(案)について議論されました。
 そこで、管理計画認定制度の根幹である「長期修繕計画」と「修繕積立金」についてのとりまとめ(案)について、配布資料を見てみたいと思います。
前回の検討会で出された主な意見には以下のようなものがありました。

・新聞報道により、初年度と最終年度の割合である「1.8倍」という数字が1人歩きしてしまい、現に管理組合の修繕積立金の引上げ支障がでた ケースが存在する。『基準』という打ち出し方で、具体的な数値を出すことは慎重に検討すべきではないか。
・ 初期値の0.6倍、最終値の1.1倍という具体的な数字を公表することは、引上げを後回しにするのではなく、早めに引上げ値上げすべきというメッセージとなり意味があるのではないか。
・ 均等積立方式が最もよい方式であるため、段階増額積立方式の引上げ幅の基準の初期額の倍率が0.6倍、というのは基準として緩いのではないか。初期値の倍率は0.8倍程度と厳しくする必要があるのではないか。
・ 段階積立方式の引き上げ幅の基準について発表の仕方に注意してほし い。この基準を発表することで段階積立方式を認めるような勘違いがされてしまってはよくない。
・ 均等積立方式を採用すべきであり、段階積立方式の場合は最低限この範囲に抑える、という表現で発表すべきである。
・ 管理計画認定制度の普及が不十分な状況で基準を直ちに適用するのは難しいのではないか。少し期間をおいて、制度を普及させてから基準を当てはめるという取り扱いがよいと考える。

 これらの意見を踏まえて、まず、段階増額積立方式おける適切な引上げ計画の考え方については、前回と同じく、計画の初期額は基準額の0.6倍以上 計画の最終額は基準額の1.1倍以内としています。この基準額の0.6倍以上を0.8倍以上とした場合には、管理計画認定マンションのうち条件を満たせるのは約42%にとどまり、水準を高くすると、既存マンションにおいては適合させるための最初のハードルが高くなり、かえって取組が進まなくなるおそれがあるとしています。
 また、短期間に極端な増額必要な場合については、現時点で設定されている修繕積立金額が低いことで、管理計画認定のために短期間で極端な引き上げを計画するケースでは、修繕積立金額の引き上げについて総会において決議が得られていれば、当該引き上げ後の計画のみを審査の対象とすることが考えられるとしています。
 配布資料のその他の内容として、総会における修繕積立金の引き上げが否決された後の対応の分類、均等積立方式にした場合の修繕積立金額の倍率の傾向、そして修繕積立金における地域性の考慮について、纏められていました。

  管理計画認定制度のあり方について

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