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コラム

空き家の治療法と予防法

2021年3月26日

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: まちづくり空き家対策不動産相続 手続き

空き家が年々増加していくなか、空き家の利活用やその支援をすることで街を活性化しようとする動きが全国で見られます。今年の4月から神戸市では、空き家所有者らの相談や利害調整を促進する弁護士を派遣する制度や、空き家の再活用を促す協力隊の導入、更に空き家の解体の支援を開始し、同市がこれらの費用を一部負担することとなります。このように現に存在している空き家をどう活用するか、という取り組みが多いのが現状です。

2023年度には相続登記の義務化が予定されているものの、空き家対策は事後治療が中心です。予防の視点が十分とは言えません。医療の世界にも病後の治療と予防医学があるように、空き家対策にもその両輪が備わることで、一層効果が高まると思います。今後、多くの空き家発生が確実ななかで、如何に空き家を作らないかという予防対策が一段と重要になります。空き家予備軍にどのようにアプローチして、その住まいを如何にスムーズに次の世代へ引き継いでいかなければなりません。

どのような予防策が考えられるでしょうか。空き家になってからでは遅い理由は何でしょうか。空き家になった場合のデメリット、特に経済的負担から動機づけを図るのはどうでしょう。
空き家になることで以下のような費用や損失が発生します。
〇多額の修繕費用
空き家になると否が応でも建物の劣化が進みます。朽ち果てるのを放置しない限り何がしかの修繕費用が生じます。何かに活用しようとすればその金額は多額になります。
〇近隣への損害賠償
維持管理が疎かになると家屋等の破損や飛散で近隣への損害を与えトラブルや賠償問題に発展しかねません。近年甚大化している台風や風水害などの自然災害は大きなリスクです。
〇課税特例の適用除外
相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡しなければ空き家の3000万円特別控除が適用できなくなります。また空き家特措法の特定空き家に指定されると、固定資産税の住宅地特例の減額措置がなくなります。更に行政代執行でその特定空き家が解体されるとその費用が請求されます。
〇権利調整の負担
空き家期間中に相続人が増えると権利関係が複雑になり、スムーズな処分が難しくなります。

このような経済的負担を回避するのが「住まいの終活」です。始めにやることは、今の住まいの状態を正しく把握して資産価値の見える化を図ることです。保存や活用方法の検討のためにも今の住まいの現状把握は欠かせません。円滑に次世代へ引き継ぐためにはも、親の意向がはっきりと伝わる段階でスタートするのがベストです。

シニアの住まい研究所では、「住まいの終活」を普及させるために、2021年度はその実践に取り組んでいきます。

この記事を書いたプロ

菊池浩史

不動産と介護に精通するシニアの住まいの専門家

菊池浩史(シニアの住まい研究所)

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