コラム
屋根裏のコウモリ!建物の瑕疵となるのか?
2017年9月17日 公開 / 2021年3月2日更新
コウモリの存在は瑕疵か?
●事例
買主Aさんは、中古住宅を購入し、入居後すぐに屋根裏にコウモリが多数棲息していることを発見した。屋根裏には大量の糞が残されていた。
この場合、買主Aさんは売主Bさんに対して瑕疵担保に基づく損害の賠償を請求することはできるのか?
●屋根裏にコウモリが生息していることが、建物の瑕疵と言えるのか?
買主が売主に対して、瑕疵担保責任を追及するには、
・売買対象物件に瑕疵があること。
・その瑕疵が隠れたものであること、通常の注意では発見できないこと。
が必要となります。
また、買主が売買契約を解除するには、その瑕疵によって買主が契約した目的を達成できないことなどが必要となります。
ちなみに、瑕疵担保責任は無過失責任なので、コウモリの存在について売主が知っていた否かや、過失は必要とされていません。
このケースの場合、コウモリは害獣とまでは言えませんが、一般的には不気味な存在であり大量の糞などは、清潔さや快適さを大きく損なうものとなります。
よって、契約の解除までは請求できませんが、コウモリの駆除に要する一部費用などは請求できる可能性はありそうです。
シロアリの発生もよく問題になりますが、虫や小動物の被害も瑕疵担保責任の対象となることがありそうです。
但し、媒介業者はコウモリの存在を疑うべき事情がなかった場合には、特に媒介上の注意義務を怠ったとは認められないと思います。
売買契約締結時の「物件状況確認書(告知書)」はトラブル防止の重要な書面になりそうです。
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