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マンション管理組合の理事会決議方法

2022年12月1日

テーマ:マンション

コラムカテゴリ:法律関連

Q マンション管理組合の理事会の決議方法を書面による決議または、書面やメールによる持ち回り決議の方法で行うことができるか?

A 区分所有法では、マンション管理組合の理事会の決議方法に書面決議の方法が規定されていません(区分所有法49条)
他方、総会については、書面決議の方法を採ることがことができる旨の規定が存在します(区分所有法45条)。
このことから考えると、区分所有法上、理事会の決議は、あくまでも理事会に出席した理事による決議が前提とされていると考えられます。
 ただ、区分所有法49条1項は、理事会の決議方法を別に規約で定めることについて否定する内容ではありませんし、国土交通省が公表している「マンション標準管理規約(単棟型)」53条では,マンション管理組合の理事会の決議方法を書面決議とする規定が設けられています。
 このことからすれば,マンションの管理規約に定めを設けるのであれば、マンション管理組合の理事会の決議を書面決議による方法で行うことができると考えられます。

 書面による決議または、書面やメールによる持ち回り決議を行うためには、国土交通省の公表する規約と同様の規定を、マンション管理規約に設ける必要があると考えます。

<参考>
建物の区分所有に関する法律
(書面又は電磁的方法による決議)
第45条 この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。
2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。
3 (略)
(理事)
第49条 管理組合法人には、理事を置かなければならない。
2 理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
3 (略)

国道交通省 マンション標準管理規約(単棟型)
(理事会の会議及び議事)
第53条 理事会の会議(WEB会議システム等を用いて開催する会議を含む。)は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。
2 次条第1項第5号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
3 前2項の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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