敗れ続けているのか?日本の企業法務は
リスク管理体制が整備ができている場合の効果は、リスク管理システムの網にかからないほどの態様でリスクが顕在した場合は、取締役には責任が生じないことになる。
株主代表訴訟(取締役の責任追及訴訟)を起こされても、負けないということである。
すなわち、最高裁成21年7月9日日本システム技術事件判決は、従業員による架空売上の計上等の不正行為に関する事案につき、
①代表取締役が通常想定される不正行為を防止し得る程度のリスク管理体制が整えられており、
②その会社のリスク管理体制が機能しており、
③不正行為が想定し難い方法(この件は、巧妙な証拠のねつ造などがあった)によるものである場合であり、
④当該不正行為の発生を予見すべき特別な事情は認められない場合は、
取締役にリスク管理システムの整備義務違反はないとして、この件の取締役の責任を否定したのである。