労働 減給処分における減給額の制限
パワハラ防止のための研修をしないままでの懲戒処分が無効とされた事例
福島地方裁判所会津若松支部令和4年2月17日判決は、3か月間に2度もパワハラ行為をした社員に対し、約20%の減給を必然的に伴う降格処分にした会社の懲戒処分を、1度目のパワハラ行為の時、加害者の勤務部署を変更し、加害者から始末書を提出させ、加害者に社長から「こういうことでは駄目だぞ。」と注意をしただけで済ましていたことを問題にして、また、会社において真剣にパワハラ防止のための研修や教育をしてこなかったことを理由に、無効としております。
パワハラに甘い会社は、パワハラ社員を、いきなり厳しく懲戒処分にすることは許さないという裁判例です。
パワハラ防止は、パワハラ社員以上に、会社の責任なのです。