ロータリー27 ロータリーは、明日の人材をつくる
アレクサンドル・デュマの小説「モンテ・クリスト伯」の作中のお話しです。
主人公エドモン・ダンテス(モンテ・クリスト伯)は、絶海の孤島の岩窟(がんくつ)牢(ろう)に閉じ込められますが、抜け道を掘って脱獄を試みたファリア神父が間違えてダンテスの独房へ来たことから、二人は出会い、交流が始まります。
ファリア神父は、「罪は、そこから利益を得る者によって犯される」という法の箴言(諺・格言と同義)を用い、論理をもって、ダンテスを牢獄に送りこんだ犯人を言い当てます。それは、ダンテスから許嫁(いいなずけ)を奪うため誣告(ぶこく)に走ったフェルナン。妬(ねた)みと犯罪の隠蔽(いんぺい)とダンテスの地位を奪うためにフェルナンを使嗾(しそう)して無実の罪の告発状を書かせたダングラール。保身と父を助けることを目的に、自分たち親子に不利になる証拠(ダンテスが船長から預かった手紙)をダンテスの手から騙し取りこれを隠滅(いんめつ)した上で、ダンテスを牢獄に送り込んだ検事代理のヴィルフォールの三人です。 この三人であることを、ファリア神父は、「罪は、そこから利益を得る者によって犯される」という法の箴言を拠り所に、掌(たなごころ)を指すようにして、ダンテスに分からせるのです。やがて、エドモン・ダンテスは、岩窟牢を脱獄して、モンテ・クリスト伯爵と名を変え、この三人に復讐をしていくのですが、それはともかく、法の箴言(しんげん)とは、人が、その時までに学んだこと、特に経験によって、知り得た人間の行動原理・動機ないし経験則を短い言葉にしたものをいうようです。ですから、箴言は、考える際の視点になりますので、大切にしたいと思います。