マイベストプロ岡山

コラム

定期建物賃貸借契約締結上の注意メモ

2018年2月16日

テーマ:契約書

コラムカテゴリ:法律関連

会社と会社との間の契約でアドバイスした内容例

1 契約締結前にすること → 当該契約が定期建物賃貸借契約であり,更新がないことなどを記載した別途の書面を交付して説明をする必要があります。

2 中途解約禁止条項を設け、解約時に一定のペナルティーを課すことで投下資本の回収を可能とする内容の一例

1 乙(賃借入)は,○か月以上の予告期間をもって甲(賃貸人)に書面にて通知することにより,本契約を中途解約することができる。
2 乙は,中途解約の申入れをした場合には,甲に対し解約金として,次の基準に基づく金額を支払わなければならない。
3 前項の規定は,本契約に基づく乙の債務不履行による甲の損害賠償請求を妨げない。

【解説】「解約金」とする理由」
 違約金とすると,通常は損害賠償額の予定と推定されるので,実際の損害額に応じて額を増減はできないことになります。
賃借人が物件を毀損しており別途の損害が発生している場合にありますので,「解約金」として,解約金のほかに損害賠償請求ができる旨の条項を置いていることになります。

3 原状回復
 通常損耗分まで含めての原状回復を求めるのであれば,「乙(賃借人)は通常損耗部分も含め本物件を原状に復して甲に返還するものとする」などとして,賃借人が通常損耗部分の原状回復義務を負うことを明確にしておく必要があります。このことは契約時においてもはっきりと説明しておくべきことになります。

4 通常損耗部分ついては敷引で対応し,それ以外の損害については,別途の損害賠償請求の余地を残しておくという方法
 本件契約が終了して乙(賃借人)が本件建物の明渡しを完了したときには,甲(賃貸人)は敷金のうち40万円を賃借人に返還する。この規定は,本契約に基づく乙の債務不履行による甲の損害賠償請求を妨げない。


5 反社会的勢力の排除条項
 岡山県暴力団排除条例においてこの種の条項を導入することが求められています。この規定は、契約の解除権を留保しておくことに意味があります。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

Share

関連するコラム

菊池捷男プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ岡山
  3. 岡山の法律関連
  4. 岡山の遺産相続
  5. 菊池捷男
  6. コラム一覧
  7. 定期建物賃貸借契約締結上の注意メモ

© My Best Pro