公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
あからむ(赤らむ・明らむ)
ア 赤らむ
意味:色が赤くなること
用例:顔が赤らむ
熟語:赤面
イ 明らむ
意味:明るくなること
用例:東の空が明らむ
熟語:明暗・明星
うかがう(伺う・×窺う うかがう)
ア 伺う
意味:「尋ねる」や「問う」の謙譲語
用例:都合を伺う
熟語:伺行(貴人に奉仕すること)
イ × 窺う (○うかがう)
意味:ひそかに様子を探り調べること
用例:鼻息をうかがう
熟語:窺知(きち=うかがい知ること)
注意:「窺」は「常用漢字表」に搭載されていないので、公用文では使えない
かおり(香り・薫り)
ア 香り
意味:鼻で感じられる良い匂い
用例:花の香り
熟語:香木・香料・香水
イ 薫り
意味:比喩的、抽象的なかおり
用例:文化の薫り・季節の薫り
熟語:薫育(薫り高く育てる意味)
こうい(好意・厚意)
ア 好意
意味:人が他の人に対していだく親しみや好ましく思う気持ち
用例:好意を持つ
イ 厚意
意味:他の人が自分に寄せてくれる好意
用例:厚意にすがる・厚意に感謝する
つくる(作る・造る・創る・つくる)
ア 作る
意味:手作業で規模の小さい物や無形のものをこしらえること。
用例:料理を作る。米を作る。体裁を作る。顔を作る。列を作る。敵を作
る。子供を作る。文章を作る。家庭を作る。会社を作る。
熟語:作詞・作品・作成・名作
イ 造る
意味:工業的有形の物や,抽象的で大きなものをこしらえること。
用例:都市を造る。船を造る。酒を造る。国を造る。
熟語:製造・造船・醸造・造花・造園・造幣
ウ 創る
意味:独創性のあるものを生み出す
用例:文化を創る・時代を創る・未来を創る
熟語:創作・独創性
エ つくる
「財産をつくる」場合は,「財産を造る」という言い方があるが,「資金を
つくる場合は「資金作り」という言い方があり,「作」と「造」が厳密に
使い分けられているものではない。
「作」も「造」も当てにくい文字は仮名で書くのが適切だとする考えがある。
例えば,「人づくり」や「体力づくり」などである。
てきかく・てっかく(適格・的確)
ア 適格
意味:資格にかなっていること
用例:隊長として適格な人物。
熟語:適格者・原告適格・当事者適格
イ 的確
意味:的をはずさないこと・間違いのないこと
用例:的確な判断・意図を的確に伝える
とらえる(捕らえる・捉える)
ア 捕らえる
意味:物理的に捕まえること。取り押さえること。
用例:鳥を捕らえる・犯人を捕らえる
熟語:捕獲・捕縛・逮捕
イ 捉える
意味:理解して自分のものとすること。的確につかむこと。
用例:要点を捉える。機会を捉える。
熟語:把捉・捕捉
ひとり(一人・独り)
ア 一人
意味:一人(いちにん)のこと
用例:一人一人・一人っ子・乗客の一人
注意:読みが「ひとりひとり」となる語を書く場合、一般的には「一人ひとり」と書かれることが多いが、公用文では「一人一人」と書くべきものとされている。
イ 独り
意味:仲間がいなくて単独であること
用例:(名詞)独りで悩む。
(副詞 )独り物思いにふける。
へんせい(編成・編制・編製)
ア 編成
意味:個々のものを集めて組織的なまとまりとすること。
用例:教育課程の編成。番組を編成する。
イ 編制
意味:個々のものを集めて団体を組織すること。
用例:学級を編制する。救助隊を編成する。
ウ 編製
意味:戸籍などを新しくつくること
用例:婚姻により新戸籍を編成する。学齢簿の編製
まさる(勝る・×優る)
ア 勝る
意味:他と比べて価値や能力などが上であること。
用例:勝るとも劣らない。立ち勝る。
イ ×優る
注意:「優」の字音は「ユウ」、字訓は「やさしい」と「すぐれる」のみ。「まさる」という読みはないので、公用文では書くことができない。
やさしい(優しい・易しい)
ア 優しい
意味:思いやりがある。穏やかである。
用例:優しい言葉を掛ける・物腰が優しい
熟語:優婉(ゆうえん=優しくあでやかなこと)
イ 易しい
意味:たやすい・分かりやすい
用例:易しい問題
熟語:容易
注意:×「読み易い」○「読みやすい」
「容易」の意味で「易い」と書くのは間違い。
「易」を補助用言として使う場合は仮名で書く。
(原則=格言:動詞・形容詞は漢字で書き、補助動詞・補助形容詞は仮名で書く)