コラム
賢い事業承継の手順 8 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予」の活用
2016年7月21日
事業の後継者が,現経営者から自社株の贈与を受けると,贈与税が発生しますが,その贈与税の全部又は一部が免除される特例制度があります。
この制度の下では,贈与する経営者は「先代経営者」といわれ,贈与を受ける後継者は「経営承継受贈者」といわれますが,経営承継受贈者は最初に贈与税の納税猶予を受けて,先代経営者や経営承継受贈者が死亡した場合などにはその全部又は一部が免除されるという二段階の手続を経て,贈与税の免除を受ける仕組みになっています。
ただ,この制度の適用を受けて納税の猶予を受けたものの,株式を他に売却するなど一定の事由が生じた場合には、納税猶予税額の全部又は一部を利子税と併せて納付しなければならなくなりますので,注意が必要です。
この特例の適用を受けるためには、中小企業経営承継円滑化法に基づき、会社が「経済産業大臣の認定」を受ける必要がありますが,無論認定を受けるには,法定の要件を満たす必要があります。自社に係る要件,贈与者に係る要件,経営承継受贈者に係る要件などです(なお,特例の対象となる非上場株式の数には制限があります。)。
他にも,納税猶予を受けた後の納税猶予の継続届出書の提出等の手続もありますので,この特例を受けたいと考える後継者の方は,日頃専門家と親しみ,よく相談しておく必要があります。
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