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賢い事業承継の手順 7 除外合意や固定合意を結ぶ際に結べる他の合意も利用した遺留分対策が可能

2016年7月16日

テーマ:事業の承継

コラムカテゴリ:法律関連

 自社株以外の財産についての除外合意
事業承継円滑化法では,遺留分算定の基礎財産から,後継者が贈与を受けた自社株の全部又は一部を,除外する合意(除外合意)を結ぶこと,また,その自社株の価額を,合意の時の時価に固定する合意(固定合意)を結ぶことができることは,前述しましたが,同法は,これらの合意を結ぶ際,次の合意を結ぶこともできる旨規定しています。

1 後継者が取得した他の贈与財産に係る合意(法5条)
 法5条は,後継者が贈与を受けた財産が自社株だけでなく,不動産など自社株以外の財産がある場合,その財産についても除外合意ができる規定を置いています。

 この合意は,例えば,自社の敷地が経営者個人の所有になっているような場合に,自社株とともにその敷地も後継者に贈与するときなどに利用できることになります。

2 後継者以外の推定相続人が贈与を受けた財産についての除外合意(法6条「衡平を図るための措置」)
 法6条は,後継者のみが除外合意や特定合意による恩恵を受けることをよしとせず,後継者について,除外合意や固定合意が結ばれる場合は,その際,それ以外の推定相続人にも,除外合意の恩恵を与えることをできるようにするため,それ以外の推定相続人が経営者(被相続人)から受けた贈与についても,除外合意ができることを規定しております。

これらにより,柔軟な遺留分対策が可能になっています。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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