コラム
環境は人をつくり,人は文化をつくる
2016年6月23日 公開 / 2016年6月27日更新
昨日のコラムで,司馬遷の語った「地理は風土を生み出し,風土は人をつくる」という言葉を,言い換えますと,「環境は人をつくる」 ということになるのでしょう。
「家貧にして,孝子出ず」という言葉もあります。この言葉は,貧しい家の子は,親の苦労を見てきているので,親を楽させてあげたいと思い,真面目に,誠実に働き,それなりに親を喜ばせる子に育つという意味になりますので,一般論として,家が貧しいという環境下で育った子は,豊かな家庭で育った子より,親を思い,親に孝行をする,ということになるのでしょう。
我が身や近くの人に見られる経験に照らしても,この言葉は正鵠を得ているものと思われます。
ところで,昨日のコラムでは,最近の弁護士の顔立ちについて書きましたが,弁護士数の数の多さにも目を向ける必要があります。
私が,弁護士になった当時の,岡山弁護士会会員数は60名から80名くらいの範囲内にあったように思えます。100名には遠く及ばない数でした。
しかしながら,今日は,400名近い数になっているのですから,その数の多さは,大きな力になるはずです。
では,どのような力かといいますと,新たな文化をつくるほどの力といってよいと思われます。
法律的な思考に慣れていない社会が,法律的な思考を日常なしうるようになる,という文化です。
すでにインハウス・ローヤーが誕生し,裾野を広げていること,法律で,弁護士活用の措置がとられてきていること(例えば,本年成立した改正児童福祉法12条3項は,「弁護士の配置」措置を求めている)などにより,今後ますます弁護士の出番が増えていくことは間違いありません。
弁護士の増員は,弁護士にとっては,厳しい側面は,むろんありますが,社会的に益することも,極めて大きいと思います。
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