賢い事業承継の手順 2 経営者が持つ自社株の価額を知ること
1 計算書類等の閲覧,謄抄本
会社法は,計算書類等に関し,多くの規定を置いています。
その計算書類は,株主及び債権者に,閲覧等の権利が認められています。
その計算書類とは,
各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書,株主資本等変動計算書及び個別注記表)及び事業報告並びにこれらの附属明細書です。
附属明細書は,一般的には,固定資産,引当金,販売費用及び一般管理費,その他の重要な事項が書かれた書面です。
(1) 時間的制限
定時株主総会の日の1週間前から5年間(会社法442条①➁),会社の営業時間内
(2) 請求権を有する者
株主及び債権者
2 ,「会計帳簿又はこれに関する資料
一定の株式を有する株主には,「会計帳簿又はこれに関する資料」の閲覧謄写の請求権が認められています(株式会社法433条①③)。
「会計帳簿」とは,仕訳帳(仕訳帳を代替している伝票を含む。),総勘定元帳及び各種の補助簿(会社計算規則59条③),「これに関する資料」は,伝票,受取証,契約書,信書等とされています。
法人税確定申告書は,会社の帳簿を材料として作成されるものであって,会社の帳簿を作成する資料ではないため,ここでいう「会計帳簿又はこれに関する資料」には該当しません。