公用文用語 「等」と書くか「など」と書くか?
① 建物が完成致しましたので,検分して下さい。満足して頂けるものと思います。
➁ 建物が完成いたしましたので,検分してください。満足していただけるものと思います。
この2文のいずれが,読みやすく,分かりやすいでしょうか?
①の文は,やたらに漢字が多く,読むのが煩瑣(はんさ)であると感じられるはずです。
読むのが煩瑣な原因は,この文中の「致」と「下」と「頂」という漢字の存在にあります。
何故,これらの漢字を読むのが煩瑣かといいますと,これらの語には漢字固有の意味が宿っていないからです。
漢字固有の意味が宿っていない漢字を,“読め”と押しつけられるから,煩瑣を感ずるのです。
その煩瑣の原因を取り除いたのが➁の文です。
②の文の中の漢字は「建物」「完成」「検分」「満足」「思」ですが,その意味は文の中で生きており,この文は,漢字を見るだけで意味が通じます。
これらの漢字が持つ固有の意味が生きているからです。
だれしも,意味がす~と通る言葉を読みたいという願いを持っているはずです。
意味不明の漢字を“読め”と押しつけられるくらい,煩瑣を感ずるものはありません。
漢字固有の意味が生きている動詞は漢字で書き,それのない補助動詞は平仮名で書かなければならないのです。