弁護士の心得 「できません」は禁句。「こうすればできます」で答えるべし。
チャーチルは,エドワード・ギボンの書いた「ローマ帝国衰亡史」の文章表現を,そのまま模写するなどして,文体,構成などを学び,それでもって自分の文章を作っております。
なお,チャーチルがノーベル文学賞を受賞した理由には,たんに卓抜した文章表現だけではなく,「崇高な人間的価値を擁護する輝かしい弁舌」も挙げられています。
チャーチルの国会(下院)その他における弁論は,国民を惹き付け,国民に希望と勇気を与え,苦しく長かった第二次世界大戦を戦う力を与え続けていますが,国民を魅了した弁舌の陰には,卓抜した文章力もあってのことと思うと,文章を書くこと,文章を輝かせる努力を続けること,がいかに重要であるかが分かるような気がします。
ですから,文章の書き方を学ぶには,模倣が近道です。弁護士の場合,判決書がずいぶん勉強になります。
弁論の訓練も,効果的です。
チャーチルの場合,原稿を書き,それを下院で演説する気持ちで,声を出して弁論の訓練をしたようです。
彼の自宅で,ある日,お手伝いの女性が,「え,なにか私に言われましたか?」とチャーチルに訊くと,チャーチルは,「今,私は,下院で演説しているところだ。」と答えたという逸話が残っているほどです。