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競売で不動産を無くしたのに、譲渡所得課税がなされるって、本当なの?

2015年10月16日

テーマ:民法と税法

コラムカテゴリ:法律関連

資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合は、非課税になります。
 譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいいますが、資産の「譲渡」とは、有償無償を問わず、資産を移転させる一切の行為をいいますので、競売も譲渡になります。したがって、競売によって無くした不動産でも、その取得価格より高い値段で買受けられたときは、その差額が譲渡所得になって、課税されることになります。
 しかしながら、所得税法9条では、非課税所得についての定めがあり、その10号で、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第2条第11号(定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得」は、非課税とされています。そして、国税通則法第2条第11号(定義)に規定する強制換価手続とは、「滞納処分(その例による処分を含む。)、強制執行、担保権の実行としての競売、企業担保権の実行手続及び破産手続をいう。」とされていますので、競売代金が全額債権者への支払又は配当に充てられ、かつ、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合、に該当するときは、譲渡所得があっても課税されません。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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