債権法改正 大改正。債権の原則的な消滅時効期間は5年になる。短期はなし
(賃借人の原状回復義務)
第621条 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
【コメント】
最近の判例(平成17年12月16日最高裁判決)を括弧内に取り込んだ規定である。通常損耗,自然劣化,経年劣化といわれるものについては原状回復義務のないことが明文化されたものである。
なお,この判例が明らかにしたのは,通常損耗についても原状回復があるという特約を結ぶ場合は,補修内容を具体的に書き,賃借人をして,それが自然損耗ではあるが特別に補修を約束するという認識まで要求していることである。したがって,そのような約束をしてもらうためには,,「通常損耗補修特約」と銘打って,その範囲を具体的に明確にすることであろう。