債権法改正 話し合い中でも,時効は完成するので,要注意,と援用権者
本コラムは,本年2月に公表された債権法改正要綱案を前提にしています。
要綱案は,その後,本年3月31日に債権法改正案になって国会に上程され,現在審議中です。
要綱案と改正案では,実質的な違いはありませんが,部分的には,用語や表現が違うところがあります。
いずれ,本コラムは,法律改正がなされた後で,正しい条文を紹介した上で,補足させていただく予定です。
それまでの間,要綱案の説明で,ご容赦ください。
第6 条件及び期限
1 効力始期の新設及び期限の概念の整理
(1) 効力始期の新設
民法○○条
ア 法律行為に効力始期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に生ずる。
イ 民法第128条及び第129条の規定は、効力始期について準用する。
(2) 期限の概念の整理
民法第135条
(1)法律行為に請求始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2 不正な条件成就
不正な条件成就について、次のような規律を設けるものとする。
第○○条 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件の成就を実現させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。
コメント
現行法では,停止条件とか解除条件という法令用語が使われているが,改正法では,この用語は使われないことになった。これに変えて,効力始期や請求始期という用語が使われることになる。この部分の改正は,判例法理を条文化したものである。