弁護士の心得 専門に特化しながら、専門外から謙虚に学ぶべし
交通事故から1年経った,ある被害者からA弁護士が受けた相談です。
指先にしびれが残っていて,指先でしていた仕事に支障が生じ,それまで1日にできていた仕事の量が数分の1になったが,後遺症とは認められなかった。納得できない。という内容でした。
この被害者は,先にB弁護士に相談したのですが,そのときのB弁護士の回答は,被害者の近所の開業医が書いた診断書のみを見て,「指先にしびれがあるというだけで,他覚的所見が得られないのなら,後遺障害として認定してもらうのは困難だ。」というものでした。
ところが,A弁護士は,過去に似たような事件を担当したことがあるが,その事件の場合はしびれの残った指は冷たく,サーモグラフィー(物体から放射される赤外線を分析し、熱分布を図として表した画像)ではっきり分かったので,その他覚的所見により後遺障害の認定を受け得た,という話をしました。すると,その被害者も,私も同じだ。しびれている指先は,いつも冷たいと訴えてきました。
かくて,A弁護士は,専門医に再度診て貰うことを被害者に勧め,どういう病院で治療を受けるといいかまで,教えてくれたということです。
【教訓】ネバーギブアップは常に心に銘記しておくこと