コラム
公用文の書き方 4 漢字の役割
2014年9月5日 公開 / 2014年9月6日更新
白と黒を「混ぜる」のか、「交ぜる」のか?
店を「開ける」のか、「空ける」のか?
「とんぼ返り」をするのか、「とんぼ帰り」をするのか?
漢字は、同音異義語が無数にあるところからも明らかなように、それぞれ固有の意味を持っています。
したがって、漢字で書かなければ意味が通じない、という場合が多々あります。
例えば、「白と黒をまぜる」と書いた場合、その「まぜる」が「混ぜる」であれば、灰色になりますが、「交ぜる」であれば、縞模様になります。
また、例えば、店を「あける」と書いた場合、その「あける」が「開ける」であれば、営業を始めることになり、「空ける」であれば、店を留守にすることになります。
さらには、「とんぼがえり」が、「とんぼ返り」なら、宙返りのことになり、「とんぼ帰り」なら、目的地へ行き,わずかの時間を経過して後,引き返すことになります。
ことほどさように、漢字で書くべき言葉を,平仮名で書いてしまうと、意味が通じないことになる場合が生じてしまうのです。
しかし,だからといって,一文の中にやたらに漢字を用いるのも問題です。
漢字本来の意味をなくした言葉を,漢字で書くことは感心できません。公用語では,許されません。
ここで,皆様に,「頂く」と書くか「いただく」と書くか,という問題を出してみましょう。
「お土産を頂く」か,「お土産をいただく」か?
「参考にして頂く」か,「参考にしていただく」か?
どちらが正解で,どちらが間違っているでしょうか?
正解は,明日のコラムに書きます。
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