公用文用語 もと(「下」と「元」と「基」)の使い分け
1,きわめる(極める・究める・窮める)
① 極める
意味:これより先はないというところまで行き着く
例 :頂点を極める。困難を極める。口を極めてほめる。理を極めて言う。遺憾の極み
類語:極限・極論・極端
➁ 究める
意味:深く研究して明らかにする。
例 :真相を究める。道を究める。
類語:究極・究明・研究
③ 窮める
意味:行き詰まること・学問や芸道を奥深く研究すること
例 :進退窮まる。困難を窮める。学問を窮める。
類語:困窮・窮鼠猫をかむ・窮乏・窮境・窮極
④混用多々
「極める」と「窮める」とは,物事一般について,書かれる言葉ですので,使い分けが難しい場合があり,混用も多いようです。
「究める」は,学問や,芸道に関して使われる言葉ですが,「学問を窮める」「書道を窮める」という用語もあり,混用されることもあります。
2,ください(「下さい」か「ください」か?)
① 動詞の場合は漢字,補助動詞の場合は平仮名
➁ 下さい
意味:「下さる」という動詞の活用として使う場合に使う
例 :お便りを下さい。お菓子を下さい。
③ ください
意味:補助動詞の場合に使う
例 :問題点を話してください(この文では「話す」が動詞,「ください」は補助動詞)
なお,「公用文における漢字使用について」の1(2)キに,「・・・てください(問題点を話してください。)が掲げられています。
参照:補助動詞の意味
補助動詞とは、「別の動詞に後続することにより文法的機能を果たす動詞で、それ自体の本来の意味は保っていない(前の動詞との組合せで意味を持つ)ものである。類似の補助形容詞などもあるので、合わせて補助用言ともいう。」とされています。
3,くらい(「位」か「くらい・ぐらい」か?)
① 位
意味:身分・地位・称号を意味する名詞の場合は漢字で書く
例 位の高い人。位人臣を極める。位負けをする。
➁ くらい・ぐらい
意味:程度や限度を示す副助詞の場合は「くらい・ぐらい」と平仮名で書く
例:私くらいの年格好の人。あのくらいの大きさ。
参照:「公用文における漢字使用について」の1(2)カに,助動詞及び助詞は,平仮名で書くものとされ,「ぐらい(二十歳ぐらいの人)」が掲げられています。