間違えやすい法令用語 28 「・・・の日から○日間」・「・・・の日から起算して○日間」
1,保証
保証とは,一口でいうと,「万一のときはお金を支払います」という意味になります。保証人,連帯保証人,身元保証人の保証のことです。すなわち,主たる債務者に代わって債務を履行する義務を負うことをいいます。身元保証の場合は,雇用主に損害を生じさせたときに,それを支払うことです。経済的な担保の意味の言葉です。
2,保障
保障とは,一口でいうと,「守ってあげます」という意味になります。憲法21条1項は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と規定していますが,これは国家が国民に集会の自由などを保障する,侵害をさせない,という意味になるのです。他にも,「身分を保障する」という言い方(裁判所法48条)などがあります。
3,補償
補償とは,補って償うという語意からも明らかに,相手方に与えた損失を償うことです。
憲法29条3項は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と規定し,それを受けて,土地収用法が制定されていますが,国民が,公共事業のために土地を収用されたときは,国は,起業者に損失の補償をさせているのです。
なお,適法な行為(例えば土地収用法による収用)により損失を受けた者へは,損失の補償がなされますが,違法な行為(例えば,不法行為や債務不履行)で損害を受けた者へは,責任ある者(例えば不法行為の加害者や債務不履行をする債務者)は,損害賠償をしなければなりません。
同じく「金銭で償う」ことですが,前者は,「損失の補償」といわれ,後者は「損害の賠償」といわれます。