弁護士と格言 蟹は甲羅に似せて穴を掘る
The more lawyers, the more processes.というイギリスの諺です。
イギリスの弁護士は,法廷弁護士であるバリスター(barrister)と事務弁護士であるソリシター(solicitor)がいます。
依頼人から直接依頼を受け、法的紛争解決を含めて,種々のサービスをするのがソリシターです。ソリシターが法廷で解決するほかないと考えたときに,バリスターに委任します。
そのような弁護士制度と関係があるのかどうかは分かりませんが,この諺は,弁護士を風刺した内容です。
イギリスには,過去,弁護士が増えると,弁護士自身の報酬の確保のため,無理な訴訟を起こすということがあったものと思われます。
ところで,我が国では,弁護士の数が急激に増えてきていますが,裁判所に持ち込まれる事件数は減る傾向にあります。
下の数字は,弁護士数が日本弁護士連合会の公表している数字,新受件数が最高裁判所が公表している数字です。
直近10年間の弁護士数の伸びは72%になりますが,新受件数は-26.75%です。
少なくとも,我が国では,「弁護士多ければ訴訟多し」という諺は当たっていません。
弁護士数 新受件数
2000年度 17,126 5,537,154
2001年度 18,243 5,632,114
2002年度 18,838 5,876,187
2003年度 19,508 6,070,201
2004年度 20,224 5,742,031
2005年度 21,185 5,235,767
2006年度 22,021 5,074,097
2007年度 23,119 4,546,332
2008年度 25,041 4,432,985
2009年度 26,930 4,597,226
2010年度 28,789 4,317,901
2011年度 30,485 4,059,773
2012年度 32,088
2013年度 33,624