コラム
自治体がする契約 12 指名競争入札
2013年9月25日
1,意味
指名競争入札とは、自治体があらかじめ登録している業者の中から複数の業者を指名して、指名した業者間でのみ入札させる入札方法です。
2,弊害
指名業者の間で、入札参加業者名が分かることから、業者間で談合が行われやすく、落札価格が高止まりする弊害が生じやすくなります。
業者選定の過程が不明朗だと、自治体職員が主導して談合(いわゆる官製談合)を行わせることも可能になり、同じ年度に複数の県知事が逮捕される不祥事がマスコミに報道されたこともあります。
その反省から、一時は入札と言えば指名競争入札だったものが、総務省も一般競争入札の導入を指導するなどして、指名競争入札を避け一般競争入札に比重が移ってきています。多くの自治体で、指名競争入札の廃止を宣言するところもでています。
指名競争入札を維持する自治体でも、恣意的な指名ができないよう指名選考委員会などで指名基準を明確にして公表した上で業者を選定する等手続の透明化・明確化に努めるところもでていますが、一般競争入札に比べ、談合の危険がまだ多いことは否定できないところです。
3,多様な指名競争入札
⑴ 制限付き一般競争入札
これは過去のコラム「一般競争入札」で解説しました。
⑵ 公募型指名競争入札
公募に応じた業者の中から入札業者を指名する入札方法です。
⑶ 技術情報募集型指名競争入札
高い技術を有する業者の中から指名業者を選定して入札させる方法です。
⑷ 施工方法提案型指名競争入札
⑸ 公共建築VE
⑹ 設計施工一括発注方式
これは明日のコラム「随意契約」で述べるプロポーザル方式と通底する方式です。
なお、指名競争入札のこれら細かい方式については、江原勲著「自治体契約の実務」(ぎょうせい発行)を是非ご参照ください。
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