コラム
自治体がする契約 11 質の悪い工事をさせないための制度
2013年9月24日
1,低入札価格調査
自治体発注の公共工事で、入札により請負業者を決める場合、あらかじめ予定価格を設定しておき、その金額を上限と定めて、入札価格の中で最も低い価格で入札した業者と契約を結ぶのが原則です。
しかし、低い価格で入札したからといって、その価格が適正な価格とは限りません。
利益も出せないような低価格で請け負われて、手抜き工事をされたのでは困ります。
そこで、自治体では、低入札価格基準を定めて、その金額を下回る価格で入札した業者が落札しそうなときは、その業者が低入札した事情を調査し、その結果、適正な工事が期待できないと判断したときは、その業者に落札させないことにしたのです。
これを低入札価格調査といいます。
地方自治法施行令では、低入札価格調査基準は、入札額の低いものから5社の平均値×0.85になっております。
2,最低制限価格制度
入札額に最低制限価格を設定して、それを下回る業者に落札させなくする制度です。
これも、公共工事の質を確保するためです。
3,総合評価入札制度
これは入札額を含め、多くの評価ポイントと点数をさだめて、最も高い評価点をとった業者を落札者とする制度です。
4,公契約条例
これは自治体発注の工事などを請け負う業者が、最低賃金制度を守っていないときは、契約を解除できるとする制度(条例)です。
最低賃金も支払わない業者には、良心的で良質な仕事ができるとは考えられないことのほか、請負業者になる業者に対し法令遵守を求めるものです。
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