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コラム

地方自治 概算払と前金払の違い

2015年3月13日

テーマ:地方行政

コラムカテゴリ:法律関連

Q 私は某市の職員です。当市の財務規則では,前金払に関する規定をおいて運用しているのですが,これを概算払にすることに問題はないでしょうか?また概算払と前金払とでは,どういう違いがあるのでしょうか?
A 
1,概算払と前金払
概算払とは,地方公共団体が支払うべき債務金額の確定前に概算をもって支出する方法をいいます。概算払は,その性質上事後において必ず精算を行う必要がある点が前金払と異なるところです。
前金払とは,地方公共団体がその負担した債務の履行期到来前において,確定した債務としてその履行をすることをいいます(松本英昭「新版逐条地方自治法第4次改訂版」775頁から776頁・資料1)。
概算払と前金払の違いは,概算払が地方公共団体が支払うべき債務金額が確定していないところで概算で支払うもの,したがって,事後に精算をしなければならないこと,一方,前金払は確定した債務としてその履行をすることをいうのです。

2,概算払と前金払に関する法規制
地方自治法232条の5第2項は,「普通地方公共団体の支出は,政令の定めるところにより,資金前渡,概算払,前金払,繰替払,隔地払又は口座振替の方法によつてこれをすることができる。」と規定しており,これを受けて地方自治法施行令162条は,概算払ができるものとして①旅費➁官公署に対して支払う経費③補助金、負担金などを定めていますので,これらの法令の規定の範囲内のものならば,貴市の財務規則を改正して,前金払の支払ではなく,概算払にすることは可能です。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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