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建築 5 設計委託契約が結ばれていない場合でも設計料の請求ができる場合

菊池捷男

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テーマ:建築

東京地裁昭和51.3.3判決は、注文予定者甲と請負予定業者乙が、設計施工を内容とする建築請負契約の締結を目指して協議をしたが、金額が折り合わなかったため契約の締結には至らなかった事案で、乙がした設計図の作成につき、設計委託契約の締結は認められないが、乙が建築の設計施工を業とする会社であるので、商法512条の「商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。」という規定に基づき、乙は甲に対し設計料の請求できると判示しました。

設計料の金額について、判決は、社団法人建築家協会が設定した報酬規定に基づき、甲が考えていた建築予算額1600万円の5%に相当する80万円を設計監理料、その75%である60万円が設計料になるとした上で、しかし、乙が甲に請求できる金額はその50%である30万円になると判示しました。

【コメント】
事案によっては、注文予定者からの希望により、大量の設計図の作成や修正などをすることで、もっと多額な金額になる場合もあると思われますが、上限は社団法人建築家協会の報酬規定に定めた金額になると思われます。

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菊池捷男(弁護士)

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