労働 減給処分における減給額の制限
3労働審判で扱える事件
⑴ これは、「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争」すなわち「個別労働関係民事紛争」です(労働審判法1条)。
例えば、解雇、雇止めの有効・無効に関する紛争、賃金、とくに残業手当の支払義務に関する紛争、安全配慮義務に関する労災事故紛争、セクハラ、パワハラによる損害賠償請求事件等です。
⑵ 労働者の募集及び採用に関しての紛争は、まだ、労働者と使用者の間に契約関係が成立していないので、労働審判の対象外ですが、採用内定後の紛争で、採用の内定の法的性格が解約権留保付き就労始期付労働契約とされるとき(最判昭和54.7.20)は、労働審判になり得ます。
⑶ 派遣労働者と派遣先事業主との紛争は、両者の間に、労働契約はありませんが、労働者派遣法44条から47条の2で、労働基準法の適用がある事項についての紛争については、労働審判の対象になります。
3法24条1項
労働審判法24条1項は「労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。」と規定しています。
例えば、就業規則の不利益変更や整理解雇の効力が争点になる事件、思想・性別等を理由とする賃金差別等が争点になる事件、不当労働行為を理由とする配転命令無効事件等は、3回以内の期日での解決は無理なので、労働審判を終了させることになると思われます。