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著作権 28 映画・写真・プログラム

2012年11月8日

テーマ:著作権

コラムカテゴリ:法律関連

1映画
⑴ 意味
著作権法には、映画の定義を定めた規定はないが、法2条3項は「この法律にいう「映画の著作物」には、映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され、かつ、物に固定されている著作物を含むものとする。と規定しているので、映画とは、
① 視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され
② 物に固定されている著作物で、
③ 映像が連続して変化するもの(動画)
をいう。
子供の運動会を撮影したVCRやCD-ROM等に固定されたコンピューターゲームの連続する映像も映画の著作物である。

⑵ 著作者
映画については、著作者に関する規定と著作権に関する規定が別々に置かれている。であるから、著作者を定める規定は、著作者人格権のみを認めた規定になり、財産権としての著作権は、著作権者に帰属することになる。
その著作者であるが、法16条本文は「映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。」と定め、ただし書きで、職務著作の場合は、法人等が著作者になる旨規定する。
要は、映画の著作者人格権は、監督等、映画を全体的に創作することに寄与した者に帰属するのを原則とする。

⑶ 著作権の帰属
法29条1項は「映画の著作物の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。」と規定する。
要は、財産権としての著作権は、映画制作者に帰属することになる。

⑷ 放送事業者の権利
法29条2項3項には、放送事業者が放送のための技術的手段として製作する映画の著作物の著作権に関しては、映画製作者としての当該放送事業者に帰属する権利の内容が定められている。

2写真
動きのない視覚的な表現で、フイルム、デジタルカメラ等により写された著作物である。
その内容については、すでに解説した。

3プログラム
法2条1項9号は、プログラムの定義を「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。」と規定する。
また、法10条3項は、プログラムに対するこの保護は、その著作物を作成するために用いるプログラム言語、規約及び解法に及ばない、とし、ここでいう「プログラム言語」とは、プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。」また、「規約」とは「特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。」、「解法」については「プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。」と定義している。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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