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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

著作権 17 詩集『智恵子抄』の編集著作権者は、高村光太郎か編集者か?

著作権

2012年10月28日 / 2012年10月29日更新

1定義
著作者とは「著作物を創作する者をいう」(法2条1項2号)。
著作権法では、著作者に、著作権と著作者人格権が与えられることになるが、この原則を「創作者主義」という(ただし映画に関してのみ例外がある。これは別のコラムで解説予定)。
この点、特許権も「発明者」に特許権を与える「発明者主義」を採用しているので、似ていると言えるが、著作権と特許権の大きな違いは、著作権については“法人著作が認められている”(法15条)のに対し、特許権では“法人発明は認められていない”点である。

2インタビュー記事の著作者
これは、インタビューに応じた者ではなく、それを文章化した者が著作者である(東京地判平10.10.29)

3高村光太郎の『智恵子抄』の編集著作権者は誰?
最判平5.3.30は、
「智惠子抄」は、詩人である高村光太郎が既に公表した自らの著作に係る詩を始めとして、同人著作の詩、短歌及び散文を収録したものであって、その生存中、その承諾の下に出版されたものである・・・仮に光太郎以外の者が「智惠子抄」の編集に関与した事実があるとしても、格別の事情の存しない限り、光太郎自らもその編集に携わった事実が推認されるものであり、したがって、その編集著作権が、光太郎以外の編集に関与した者に帰属するのは、極めて限られた場合にしか想定されないというべきである。
 そもそも本件において、光太郎以外の者が「智惠子抄」の編集に携わった事実が存するかをみるのに、・・・ 収録候補とする詩等の案を光太郎に提示して、「智惠子抄」の編集を進言したのは、上告人Sであったが、「智惠子抄」に収録されている詩等の選択は、同人の考えだけで行われたものではなく、光太郎も、Sの進言に基づいて、自ら、妻の智惠子に関する全作品を取捨選択の対象として、収録する詩等の選択を綿密に検討した上、「智惠子抄」に収録する詩等を確定し、「智惠子抄」の題名を決定した・・・というのである。
 右の事実関係は、光太郎自ら「智惠子抄」の詩等の選択、配列を確定したものであり、同人がその編集をしたことを裏付けるものであって、Sが光太郎の著作の一部を集めたとしても、それは、編集著作の観点からすると、企画案ないし構想の域にとどまるにすぎないというべきである。・・・Sが「智惠子抄」を編集したものということはできず、「智惠子抄」を編集したのは光太郎であるといわざるを得ない。したがって、その編集著作権は光太郎に帰属したものであり、被上告人が、光太郎から順次相続により右編集著作権を取得したものというべきである。と判示。

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