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菊池捷男

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菊池捷男(きくちとしお)

弁護士法人菊池綜合法律事務所

コラム

著作権 26 建築

著作権

2012年11月6日 / 2012年11月7日更新

1一般住宅
通常の一般住宅は、著作権法で保護される著作物ではない。グッドデザイン賞を受賞した住宅であっても、工業化住宅は著作物ではないとされる

大阪地判平15.10.30グルニエ・ダイン事件は、
一般住宅は、仮にそれが「グッドデザイン賞」を受賞したものであっても、通常加味される程度の美的要素を超えて、建築家・設計者の思想又は感情といった文化的精神性を感得せしめるような芸術性ないし美術性を備えた場合、すなわち、いわゆる建築芸術といい得るような創作性を備えた場合でないと、著作権法の保護を受ける建築とは言えないと判示し、某建築メーカーの量産型(工業化)住宅(和風建築の2階建て個人住宅)を、著作権法上の「建築の著作物」に該当するということはできない、と判示した。
【参照】
グッドデザイン賞:
昭和32年に通商産業省によって創設された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を母体とする、我が国唯一の総合的デザイン評価・推奨制度として、「グッドデザイン賞」という制度がある。財団法人日本産業デザイン振興会は、毎年ある一定数の「デザインが優れたものごと」を選び、その選ばれた物(商品・施設)に対して「グッドデザイン賞」を授与している。

なお、この事件の控訴審である大阪高判平16.9.29は、「建築会社がシリーズとして企画し、モデルハウスによって顧客を吸収し、一般人向けに多数同種の設計による一般住宅を建築する場合は、工業的に大量生産される実用品との類似性が一層高くなり、「建築物の著作物」に該当することにはならないと判示し、控訴を棄却した。

2建築の著作物の複製とは?
著作権法2条1項5号は、建築に関する図面に従つて建築物を完成することも複製になると規定する。これは設計図のみがあり、まだ建築していない段階で、設計図を見て建築する場合を想定した規定であるが、設計図を見ないで、完成した建築物を見てそれを複製することも著作物の複製になる。その場合は、建築芸術といい得るような創作性を備えた建築に限られること言うまでもない。。

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