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相続相談 29 預金であったものが、現金になったとき

2012年8月9日 公開 / 2012年8月15日更新

テーマ:相続相談

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き

Q 父が亡くなった時、父には預貯金があったのですが、父が亡くなった日の翌日、兄が、父が亡くなったことを銀行に知らせないで、その預金を解約してしまい、現金で保管しております。
この場合、私は、兄に、その1/2を返せと請求できますか?
なお、父の相続人は、私と兄の2人です。父は遺言書を書いていません。

A できます。
「相続ノート」56ページに書いているように、預貯金は、全相続人が、それぞれ、その相続分で分割された金額を、単独で相続しています。
ですから、相続人の中の1人(あなたの場合はお兄さん)が、被相続人の預貯金全額の払戻しを受けたときは、他の相続人(あなたの場合はあなた)の分を、間違って、取得したことになります。ですから、この場合、他の相続人は、自己の相続分について、預貯金の払戻を受けた相続人(お兄さん)に対し、不当利得として返還請求ができるのです(最判平16.4.20)。

この記事を書いたプロ

菊池捷男

法律相談で悩み解決に導くプロ

菊池捷男(弁護士法人菊池綜合法律事務所)

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