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西野弘幸

労使トラブルから中小企業を守るプロ

西野弘幸(にしのひろゆき) / 社会保険労務士

西野労務士事務所

コラム

労働契約法改正 ③

2013年2月4日 公開 / 2013年2月18日更新

テーマ:法改正

コラムカテゴリ:ビジネス

さて、労働契約法の改正に関しての3回目です。

今回は、第20条(不合理な労働条件の禁止)に関して解説をしていきます。

これは、同一の使用者に雇われる「期間を決めて雇われる労働者」と「期間を決めないで雇われる労働者」との間で、

「期間の定めがあることを理由として」不合理(きちんとした理由もなしに)に労働条件を相違させること。

を禁止しました。

・つまり、単に期間を決めた労働者だからという理由で、不利益に扱ったりすることは出来ません。という事。

この対象となる労働条件は・・・

・賃金
・諸手当
・通勤手当
・福利厚生
・安全衛生

等々、一切の労働条件が対象になります。社内食堂がある場合にその利用等に関してもここに含まれます。

では、不合理ってどういう事でしょう?分かりづらいですよね?

そう、分からないんです。

その部分は、これから裁判所の判断を見てみないと何とも言えないんです。ただ、以下の事は決まっていて、それを考慮して判断することになっています。

・業務内容
・業務に伴う責任
・職務内容
・配置の変更範囲
・労使慣行
等となります。

で、忘れてはいけないのが、この労働契約法は、労働基準法と違い、違反しているから法違反で、監督署等の指導が出来る・・・訳ではないんです。

あくまで民事上のルール(裁判のときにはそれを基準に判断されます)というものですから、労働者の方も注意が必要です。

しかし!!!

この基準がきちんと守られていない場合には、「不法行為」が成立しているということで、「損害賠償」が認められるケースがありますので、事業主の方は要注意です。

また、違反しているとして無効になった労働条件に関しては、期間の定めの無い労働者と同一条件の労働契約が成立しているとされます。

この条文は、これから裁判等が起きて、出来上がっていくものですね。今後に注目していきたいです。

で、次回から第18条の解説に入ります。

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西野弘幸

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西野弘幸(西野労務士事務所)

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