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急いでなくても、早く売れる!その仕組みとは?

2016年10月4日 公開 / 2020年9月14日更新

テーマ:不動産売却

コラムカテゴリ:住宅・建物


ご存知の方が多いと思いますが、『仕事が早い!』のキャッチコピーで
有名な大手業者があります。
実際に仕事は早いのか?
その業者と不動産売買取引の経験がある方は、それぞれの意見が
あると思いますが、早いにしろ、遅いにしろ、その人の主観によって
意見は変わってくるものです。
今回は『早く感じる』仕組みに焦点を当て、私の考えを述べていきます。

感覚のバランスが鍵

冒頭で述べましたが個人の『主観』は本当に十人十色です。
「今日はちょっと暑いな~」って思っていたら、友人は「今日は
過ごしやすい気温だね」と。
この手の話しは数多くあります。皆さん、思い当たる事はありませんか?
ご自身の不動産を売却する際、当然、不動産業者に査定依頼を
する訳ですが、たくさんの業者に依頼すると、高めの査定価格
のみに目を奪われてしまい、後々、
「査定価格より○○○万円も低い金額で売らないとダメなの?
どうして?」となってしまいます。こうならない為に、査定の合い見積もりは
数社に依頼するよりも、1社か2社に留めておいた方が良いでしょう。
(但し、明らかにハズレ業者に依頼してしまった場合は別ですが…)
不動産売買の構造を簡単に説明しますと、買主様がその物件を気に入り、
自分が買える範囲である事、売主様が売却しても残債が消せる価格で
ある事(又は、場合によっては多少の追い金も有り)、その上で
不動産相場から乖離していない価格である事、となります。
理想の公式は、

 買主様の購入希望価格=売主様の売却希望価格=不動産売買の相場価格

となります。
最初から、売主様や買主様に、この説明がキッチリ出来ていれば、
無茶な交渉事は格段に減ります。
このバランスが大事なポイントです。

感覚は主観とは異なる

価格のバランス感覚は、本人の主観とは別物です。
自分が住んでいて、この物件の立地はどうたら、生活動線の
便利さはどうたら、というのは、正直価格には反映されません。
購入してもらう買主様の事を考えずに突っ走っても、ロクな事はありません。
実際に、どのような立地・広さ・築年数の物件が市場で取引き
されているのか、今は買主様の希望内容がどうなのか、こういった
事を前提に『売却出来そうな価格』を考えないといけません。
もちろん、その補佐をするのが私達プロの仕事ですが、売主様にも
同じような考えを持ってもらわないと、スムーズに取引きは進んで
いきません。
主観は大事です。捨てろとは、当然言いません。
あくまでも、本人の為になるように、正しい知識を持ってもらい
たいだけなのです。

早く売れた!と、やっと売れた…、の感覚の違い

『○○さんが担当で本当に良かった!まさか、2ヵ月もかからずに
売却出来るなんて思ってなかった。しかも、売却予定の金額に
近い価格で売れたし。』こんな風にお客様に言ってもらいたいもの
ですね。
これは、結果的にこう言ってもらえたのでしょうか?
私は、そう思いません。
その担当者が『必然的』にお客様から、このような嬉しい言葉を
引き出したのではないでしょうか。
前述のバランス感覚を、そのお客様に理解してもらった結果だと。
例えば、あくまでも例えばですが、この物件の成約価格が2,430万円とします。
 売主様への提示査定価格 → 2,350万円(売出し価格:2,550万円)
 近隣物件の成約事例価格 → 2,400万円前後
 現在売出し中の競合物件 → 1件のみ(売出し価格:2,580万円)
 物件立地の需要度 → 中の上
このような条件があった上で、担当者が「早ければ3~4ヵ月で
売却出来ると思います。もちろん、早期売却を目指します。
ですが、ほぼ確実に価格交渉があると思いますので、お伝えした
通り、下限値の2,350万円までは覚悟しておいて下さいね。」と、
売主様にキッチリ説明し、理解を得ていればこそ、上記のような
お言葉を頂けるハズです。
逆に、不動産業者が、自社に専任媒介をもらう為に、高値の
査定金額を出し、それに売主様が乗った場合は、
「売却期間が当初聞いてたより相当長いのに、さらに査定価格
より○○○万円も低い金額で売らないとダメなの?どうして?」
となるワケです。

不動産業者が悪い、売主様が悪い、というお話しではありません。
さらに、低い金額での売却を促しているワケでもありません。
確かに需給バランスはありますが、関東の一部地域のような、
価格高騰は稀なのです。
今回のお話しは、実勢価格で正常に取引きをする為のものです。
査定金額を現実的にシビアに出す業者と、別の業者が提示する
高めの金額を鵜呑みにするのとで、成約時の感覚が大きく変わります。
ちなみに、身近なもので例えると、
靴屋で「紳士靴:定価22,000円→13,800円!」と、
普通に「紳士靴:13,800円」で売っているものでは、定価を
記載している方がお得感が出ますよね。金額こそ全く違いますが、
心理的には全く同じ事なのです。
この感覚を、売主様・買主様それぞれへしっかり伝え、理解を得られ
なければ、『理想の公式』からは、程遠い話しになってしまいます。

当社HP:アルデ株式会社

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この記事を書いたプロ

林﨑哲也

不動産売買仲介・賃貸仲介のプロ

林﨑哲也(アルデ株式会社)

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