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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

緑茶の効用?

2018年4月23日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

緑茶の効用?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘緑茶の効用?’というお話です。

 緑茶にはビタミン・ミネラル、食物繊維、タンパク質の他、 渋みの素であるカテキン類、苦味の素であるカフェイン、旨味の素であるテアニンなどのアミノ酸が含まれています。このうち、カテキン類に抗酸化作用、抗がん作用、抗アレルギー作用、血圧上昇抑制作用など様々な生理作用が あることが多く報告されています。

 緑茶には興奮作用があるカフェインが含まれているにも拘わらず、飲むとホッと心が落ち着くことがありますが、その理由はテアニンではないかと考えられています。動物実験ですが、カフェインとテアニンの同時摂取によりカフェインによる興奮作用がある程度抑えられ、自発行動量が低下することが観察されたとの報告や、テアニンを摂取した被験者の副交感神経の活性が増した一方で、交感神経系に影響は見られなかったとの報告があります。このように緑茶成分は脳や神経にも影響を与え、 カフェインやテアニンなどを複合的に摂取することにより、自律神経の活性バランスがとれる可能性が考えられます。

 緑茶に関する研究では、緑茶に含まれている特定の成分単体を摂取するのではなく、「緑茶」として複合的に摂取することで認知症予防にも役立つのではないか、というものが数多く報告されています。
●金沢大学の研究で緑茶を毎日飲む人は全く飲まない人よりも認知症になるリスクが74%も低く、認知機能低下症状(MCI または認知症)になるリスクも68%低いことがわかっています。
●70 歳以上の日本人対象に認知症診断で使われる対面テストMMSE で26点未満を認知症と判断し、普段の食生活の状況を確認したところ、緑茶を1日2杯以上飲む人は認知症と判断されにくかった。
(株)ヘルシーパスの医療コラムを抜粋し、一部改変

 コーヒーにも色々な効用がある事が知られていますが、緑茶もそれに負けず劣らずの効用がある様です。特に認知機能改善に効果が高い様ですので...試している価値はあるかも知れませんね。

この記事を書いたプロ

佐藤浩明

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佐藤浩明(さとうクリニック内科・消化器科)

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