マイベストプロ福島
佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

ポケモンGOはメンタルヘルスに有用?

2017年9月21日

テーマ:ポケモンGO

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: メンタルヘルス 対策

ポケモンGOはメンタルヘルスに有用?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘ポケモンGOはメンタルヘルスに有用?’という報告です。
 拡張現実を活用した新しいスマホゲームアプリ「ポケモンGO」が労働者のメンタルヘルス改善に有効であることが、東京大学での研究によって明らかになった。これは同アプリのメンタルヘルスに対する効果を科学的に示した世界で初めての研究である。「Pokémon GO(ポケモンGO)」がメンタルヘルスの改善に及ぼす影響については、これまで事例証拠や専門家の意見のみであった。そこで、同研究者らは日本に居住する労働者を対象に「ポケモンGO」が心の健康に与える影響を科学的に調べた。同氏らは、日本に居住する正規雇用の労働者2,530人(年齢20~74歳)を対象として2015年11月~16年2月にインターネット上で職業性簡易ストレス調査票を用いて心理的ストレス反応について調査した。その約1年後の2016年12月に、同じ対象に再度インターネット上で「ポケモンGO」を1カ月以上継続してプレイしたことがあったかどうかを質問し、「はい」と答えた者をPokémon GO player群(以下Player群246人、9.7%)、「いいえ」と答えた者をNon-player群(2,284人、90.3%)とした。さらに全員に再度ストレス調査を行い、両群で約1年間の心理的ストレス反応の変化に違いが見られるかどうかを検討した。
 その結果、ベースライン時と1年後のストレス調査を見ると、Player群では心理的ストレス反応が減少し、心の健康状態が改善する傾向にあった一方、Non-player群の心理的ストレス反応の変化はほぼ横ばいで、Player群はNon-player群に比べ有意な改善が認められた。この結果は、対象者の属性(年齢や性)、生活習慣(喫煙や飲酒の習慣など)、仕事の要因(仕事の量的な負担、裁量権、および上司や同僚からの支援の程度など)を調整した後でも同様だった。
 以上から、同氏は「世界で初めて『ポケモンGO』をプレイすることと労働者の心理的ストレスとの関連を量的に示し、拡張現実を利用した新しいゲームアプリが労働者の心の健康状態を改善する可能性が示唆された。心理的ストレス反応の改善効果は大きくはなかったが、『ポケモンGO』が広く普及していることを考慮すると、労働者の心の健康の保持・増進に大きなインパクトがあると考えられる。メンタルヘルスを改善するためのゲーム性を備えたコンテンツによる介入は、メンタルヘルスの問題に興味がない人や、メンタルヘルスの問題を抱えながら通常のメンタルヘルスケアを利用できないような人にも有効な可能性がある。今後は『ポケモンGO』をはじめとする新しい技術を利用したコンテンツがメンタルヘルスを改善するメカニズムの検討や、より厳密な効果検証のための研究を行っていく予定だ」と述べている。
 確かに...今であまりゲームにはまらなかった私ですが、今回は地道に継続中でメンタルヘルス的にも有用であった実感もあります(笑)

17.9.20 花々

この記事を書いたプロ

佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうクリニック内科・消化器科)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ福島
  3. 福島の医療・病院
  4. 福島の内科
  5. 佐藤浩明
  6. コラム一覧
  7. ポケモンGOはメンタルヘルスに有用?

© My Best Pro