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坪田聡

医学とコーチングから睡眠の質を高めるプロ

坪田聡(つぼたさとる) / 医師

雨晴クリニック

コラム

熟睡障害:グッスリ眠れない夜にさよなら!

2024年5月4日

テーマ:睡眠障害

コラムカテゴリ:美容・健康

夜中に何度も目が覚めたり、朝起きても疲れが取れない…そんな経験はありませんか? 実はこれ、熟睡障害と呼ばれる睡眠障害かもしれません。

熟睡障害とは、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、朝起きた時に十分に休息を取れた感じがしない状態です。日中の眠気や倦怠感、集中力の低下など、日常生活に様々な支障をきたす可能性があります。

■熟睡障害がもたらす問題


熟睡障害は、日中のパフォーマンスに悪影響を与えるだけでなく、いろいろな健康リスクを高めることがわかっています。

・うつ病や不安障害などの精神疾患の発症リスクを高める
・高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなる
・肥満のリスクを上昇させる
・免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなる
・交通事故のリスクを高める

このように、熟睡障害は決して軽視できない問題です。

■熟睡障害の原因


熟睡障害の原因はいくつか考えられますが、おもに次の2つに分けられます。

【病気】

・睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に呼吸が止まる病気
・レストレスレッグス症候群:脚がムズムズするなどの症状が現れる病気
・精神疾患:うつ病や不安障害など
・慢性疼痛
・ホルモンバランスの乱れ など

【生活習慣】

・不規則な睡眠習慣:毎日、寝起きする時刻が異なるなど
・眠る前のカフェインやアルコール摂取
・眠る前のスマホやパソコンの使用
・昼寝のしすぎ、遅い時間帯の昼寝
・ストレス
・運動不足

■熟睡障害の治療と対策


熟睡障害の治療法は、原因によって異なります。

【病気】

その病気の治療が必要となります。生活習慣が原因の場合は、生活習慣を改善することが重要です。

【自分でできる対策】

・毎日同じ時刻に寝起きする
・眠る前のカフェインやアルコールを控える
・眠る前はスマホやパソコンを使わない
・適度な運動をする
ストレスをためない
寝室を暗く、静かに、涼しくする
・眠る前にぬるめのお風呂に入る
・リラックスできる音楽を聴く

症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

■医療機関を受診するときのポイント


熟睡障害で医療機関を受診するときは、次の点に注意しましょう。

・睡眠日記をつける:いつ眠っていつ起きたのか、夜中に何回目が覚めたのかなどを記録する。アプリを利用してもよい。
・症状を具体的に伝える:いつ頃から症状があるのか、どのような症状があるのかなどを具体的に伝える
・生活習慣についてまとめておく:睡眠や食事、運動の習慣など
・服用している薬やサプリメントがあれば伝える

医療機関では、問診や検査を行い、熟睡障害の原因を診断します。そして、適切な治療法を提案してくれます。

熟睡障害は、適切な治療や対策によって改善できます。グッスリ眠れない夜に悩んでいる方は、ぜひ医療機関を受診するか、自分でできる対策を試してみてください。

雨晴クリニックでは、 グッスリ眠れない(熟睡障害)の方の診療を行っています。

この記事を書いたプロ

坪田聡

医学とコーチングから睡眠の質を高めるプロ

坪田聡(雨晴クリニック)

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