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睡眠の専門医がすすめる、健やかな毎日につながる快眠法

医学とコーチングから睡眠の質を高めるプロ

坪田聡

坪田聡 つぼたさとる
坪田聡 つぼたさとる

#chapter1

不眠や寝不足の悩みは、コーチングを取り入れた生活習慣の見直しから

 「最近、眠りが浅い」「夜中に目が覚めてしまう」など、睡眠について気になることはありませんか。高岡市にある「雨晴クリニック」院長の坪田聡さんは、睡眠障害の治療に長年携わり、良質な睡眠の普及のため、多くのメディアでも活躍しています。

 「夜寝ているのに、日中にパフォーマンスが落ちる、強い眠気があるなど、起きている時間に支障がある場合は一度相談してください」と坪田さん。睡眠障害には、不眠症や過眠症、睡眠時無呼吸症候群などさまざまな種類があり、よく眠れない状態が続くと、心身の不調をきたすこともあります。

 「睡眠障害の一つに、床に就くと、足の上を虫がはうような不快感から眠りにつけない〝むずむず脚症候群〟があります。中には『子どもの頃からの症状で、家族も同様なので、異常だと思わなかった』という患者さんもいて、本人も気付いていない〝隠れ睡眠障害〟の方も少なくありません」

 坪田さんは、まずは薬に頼らず、快眠に有効な条件に整えることを重視。睡眠の質を左右する要因には、光のコントロールを含む生活習慣、寝室環境、ストレスの三つがあります。

 例えば、「寝る前にスマホなどのブルーライトを見ていないか」「寝室は図書館くらいの静けさか」など、眠りにまつわる習慣をヒアリングし、改善に向けサポートします。
 「行動を変えるために、コーチングの手法を取り入れています。15~20の項目のうち、今日からできることを一つ選んでもらい、1週間ほど続けると、よくなるケースがほとんど。ご自身で効果を実感しながら、スモールステップで定着させます」

#chapter2

整形外科医として、睡眠時の理想的な姿勢を導く「枕外来」も

 整形外科が専門の坪田さんは、就寝中の姿勢にも着目。枕と睡眠を長年研究する、神奈川県の「16号整形外科」で学び、「枕外来」も設けています。「起きて肩や首が痛いなどがあれば、寝ている姿勢に問題があるとも考えられます。私たちは一晩で10~30回寝返りをするため、体勢を変えやすい高さや幅、硬さを備えた枕を選びましょう」

 普段使っている枕を持参してもらい、体形に合っているかをチェック。調整法として、同院が考案した手作りの「玄関マット枕」をすすめています。「適度な硬さの玄関マットを三つ折りにし、上にタオルケットをのせ、あおむけ・横向き・寝返りの姿勢から適切な高さを導きます」

 坪田さんが睡眠を究めたきっかけは、患者からの相談でした。整形外科の疾患で通院していた高齢女性から「眠れなくて困っている」と訴えがあり、睡眠薬を処方したそう。
 「薬を飲んでも変わらないというのでよくよく聞くと、夕飯を食べて19時頃に布団に入り、夜中に目が覚めるとのこと。加齢とともに睡眠時間は減るといったことを知らずに悩んでいる人も多いと改めて実感し、信頼できる情報をお届けすることが大事だと感じました」

 本人の自主性を促すコーチングに着目したのも、患者とより良いコミュニケーションを築くためと言います。「睡眠障害のみならず、腰椎椎間板ヘルニアの治療でも、リハビリや薬とあわせて、生活習慣を見直すことがカギとなります。コーチングを役立て、本人に症状や治療の必要性を十分理解してもらい、目標達成を後押しします」

坪田聡 つぼたさとる

#chapter3

書籍やWebメディア、セミナーを通して、睡眠の正しい知識を広める

 質の高い眠りへの意識を高めようと、テレビ番組や雑誌の取材、著書の執筆にも多数取り組んでいる坪田さん。生活情報サイト「All About(オールアバウト)」では、2007年から「睡眠ガイド」を務めています。

 また、睡眠を糸口に幅広い切り口でセミナーを開催。約400人が参加したオンラインセミナーの実績もあります。最近、地元の中高生向けに取り上げたテーマは、テレビやスマホなどの使用をコントロールする「アウトメディア」だとか。
 「学年が上がるにつれ、午前中から眠い、あくびが出る子どもが増えています。〝電子メディアは就寝30分前まで〟〝自分で寝る時刻を決める〟など実践法を説明しています」

 「本来、睡眠は個性的なもの」と坪田さん。1日6~8時間とされる理想の睡眠時間も、性別や年齢、性質によって異なるとか。「例えば、好きな仕事に打ち込んでいて、寝る時間が短くてもはつらつと過ごせる人もいます。よい睡眠の目安は、寝つきがよい・朝までぐっすり眠れる・スッキリ起きられることです」。自分にとって十分な睡眠時間がとれ、日中は心身ともに良好かが重要だと話します。

 「薬の処方などに至らず、専門知識を伝えるだけで、その方の悩みが解消されたときは喜びを感じます。執筆した本の読者から『よく眠れるようになって人生が変わった』と感謝されたことも。幸せな毎日に貢献できたなら、これほどうれしいことはありません」。明日を笑顔で過ごすため、睡眠を見直してみませんか。

(取材年月:2022年4月)

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専門家プロフィール

坪田聡

医学とコーチングから睡眠の質を高めるプロ

坪田聡プロ

医師

雨晴クリニック

不眠症など睡眠障害の治療に30年以上携わり、快眠に関する正しい知識の普及に力を入れています。コーチングによる生活習慣の見直しから枕の選び方までサポート。メディア出演や著書、セミナーの実績も豊富です。

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