マイベストプロ東京
安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(やすざわたけろう) / 経営コンサルタント

ペネトラ・コンサルティング株式会社

コラム

営業マネジャーは営業同行の腕をどう磨けば良いか?(2/2)

2016年12月7日

テーマ:マネジメント

コラムカテゴリ:ビジネス

前回は、課題の分解を紹介させていただきましたが、
それを進める上でもう一つ多くの人が認識できていない点を共有しておきたいと思います。
物事の実践度合いを計る5ステップを表すと、下図のようになるかと思います。
様々なスキルを習得する際には全て当てはまるステップです。


5step


「自分はやっています・できています」と仰る方も世の中には多いですが、
実は勘違いの場合がほとんどです。
何故世の中に「実行が大事」とか「実行が難しい」とか「当たり前のことをちゃんとやろう」
などということが書かれた書籍や記事が溢れているかを考えたことがあるでしょうか?


それは「本人の質(たち)」に反することを実践するのが難しいからです。


人間には固有の質(たち)があります。
「人の話を聴くことが得意な人・苦手な人」
「自己主張が得意な人・苦手な人」
「承認することが得意な人・苦手な人」
「問題提起をすることが得意な人・苦手な人」など、それぞれ特徴があります。
「組織の質(たち)」「世代の質(たち)」になっている場合もあります。

その苦手だけど必要なことを実践するのが難しいのです。
できる人には当たり前のことでも「その人」にとっては難しいのです。
「ご飯大盛り」を我慢できない人は我慢できないのです。
「余計な一言」を言ってしまう人は言ってしまうのです。
「他人の評価が気になる」人は気になるのです。
すぐには変えられません。その行動が取れない理由(考え方や感じ方)があるのです。

「やってます」「できています」と言っても、
昔からできていることをできているだけでは大して価値がありません。
できていなかったことを「やっています」「できています」となった時に価値が生まれます。


企業研修では様々なトレーニングをされていると思いますが、
得意なことだけ持ち帰ってもあまり効果がないのです。
苦手なこと、変えたいことを一つでいいので持ち帰って実践することが大事です。
例えば、「聴く」ということをできていなかった人ができるようになると価値があります。
人間関係が変わり、業績も変わります。

「本人の質(たち)」に反することが身につけられれば、
大げさではなくその人から見えている世界が変わります。
仕事だけでなく、家庭生活やプライベートでも仲間が増えたり、幸せな瞬間が増えるでしょう。
職場は仕事を通じて人間力を高め、豊かな人生を歩めるような場であって欲しいと思います。

目標が高くて困ったなという状態の方もいるでしょう。
なかなか思い通りに打開策が見出せず、成功せず困っている方もいるでしょう。
周囲の協力を取り付けられず困っている方も同様です。
その困りごとは人生をよくするための入り口でもあるのです。

そういうことが分かってくるとマネジメントの見え方も変わってくるかと思います。
高い目標を目指すということは、敢えて困ったこと=人生を豊かにする入り口を作るということであり、
日々マネジャーとのMTGが必要なのも、苦手の克服が一人ではなかなか難しいからです。
なぜ必達にこだわるのか、なぜ100%実施にこだわるのか、も同様です。

マネジャーの立ち位置もどこにあるべきか考えると良いでしょう。
「上司/部下=やらせる人/やらされる人」
という立ち位置ではなかなかうまくいかないことはないでしょうか?
苦手を克服できるのは本人だけですし、いくら他人が強制しようと、
最終的には本人が自分のために真剣に取り組まなければ克服することはできません。

マネジャーの方々には「一緒になって」何が必要かを考える、
一緒に客先に出向いてヒントを見つける、
互いの考えをやりとりしながら、本人が「これだ!」
というものを見つけられるようにする姿勢を大事にして欲しいと思います。

本人に考えさせることも大事ですが、
本人の質(たち)に反する世界は本人にとってはまだ見ぬ世界です。
上司が「示す」ことも必要だったりします。
そこを押し付けではなく、対話を通じて一緒に描く(エマージング)に取り組んで頂ければと思います。
(参考:「コーチングでは解決できない問題(問題解決における対話の基本②)

【補足】 
今回のコラムで「問題発見」を題材にさせて頂きましたが、
大前提として「挑戦したいこと(目標)」が必要になります。
今までの実力では達成が難しい水準の目標、
すなわちコンフォートゾーン(快適な状態)を超える水準の目標を
自分のために定めるこがとても重要です。

そして、自分のために「必達にこだわる」取り組みにして頂きたいと思います。
「自分がよりよく生きるために、仕事を通じて幸せになるために」必達にこだわれた時、
目標という道具を真に活用できるようになったと言えるでしょう。
ぜひ、苦手箇所を特定し、乗り越える挑戦にしていただきたいと思います。

———————————————-
ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ:http://penetra.jp/84

著書:『壁をうち破る方法』はこちら
http://www.amazon.co.jp/dp/4799314378/
———————————————-

この記事を書いたプロ

安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(ペネトラ・コンサルティング株式会社)

Share

関連するコラム

安澤武郎プロのコンテンツ

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ東京
  3. 東京のビジネス
  4. 東京のビジネスコーチング
  5. 安澤武郎
  6. コラム一覧
  7. 営業マネジャーは営業同行の腕をどう磨けば良いか?(2/2)

© My Best Pro